僕が旧黒土郵便局舎(以下局舎)を初めて見たのはおそらく2008年ごろ。

車で久路土の交差点を国道10号線に左折した時に何気なく見たのが最初だったと思う。(外壁と窓の雰囲気は鮮明に記憶に残っている)

でもその時は「すごく古い建物だな。」と思っただけで、まさか将来この場所に自分の店を構えることになるなんて想像もしなかった。

それが僕と局舎の最初の出会い。

実に薄い出会いでがっかりだが、覚えていただけ良しとしよう。

その後の数年間は局舎のことを思い出すことなんてただの一度もなかった。

アンテナを立てておかなければこんな素晴らしい建物にも見事に関心を持たないものなのだなぁ。情けないが当時の自分はそんな思考を持たない人間だったのだ。

それから月日が経ち次に僕と局舎が接近したのは2013年。きっかけは妻との結婚だ。

当時住んでいた北九州市から妻の実家がある築上郡上毛町に行くには豊前市に入った後、国道10号線から一つ中に入った県道225号線を通るのがいつものルートになっていた。

それはあの局舎のある通りだった。

そして、必然的にそれを目にする機会が増えていった。

つづく